前回の話→
ACTION107感想リンク
数々の死闘が繰り広げられた今回のG・O・D(ガンズ・オブ・ドミネイション)も遂に最終戦。
向き合うホープとコール。その姿を見る一つの影。ゴードン・ヘッケル。
強者達との連戦を受けて立ち、勝ち抜いたものの満身創痍で立つコールにあれほど無茶はするなと言ったのにと呟きます。
自身もスティーブ・バケットに受けた傷に想像以上に蝕まれ、代わりはできないのにと。
ゴードン
「俺達は古い世代の人間……」
「伯父貴(クリムゾン)に逆らい時代の流れに逆らって生きて来たが」
「もはや限界なのかもしれん。後は流れに任せよう」
…この勝負を見届け、その決着の結果に委ねると決めたゴードン…。
…そして。ホープは何とこの土壇場に来て迷いが生じてしまっていました…。
ホープ
「親父教えてくれ!!俺はあんたの気の籠ったこの銃で…兄貴を撃っていいんだよな?」
…このままじゃ駄目だと感じるホープ。しかし、そのホープにフラフラすんなと一喝する声。
ビート
「まったく…昔から何も変わらねぇな」
「いい加減腹括れ!!ここは決闘場なんだしよ」
…ホープの目に映る、かつての親友、ビートの姿。コールの妖銃ブラックウイングは倒した者達の魂を宿し続けていました。これはその影響で実現した再会か…。
決闘場で会おうと言っていたがようやく実現出来たとビート。
…とはいえもう俺はコールに殺されている、お前との決闘はあの世でやるしかない、だが負けろなんて思っちゃいない、勝って欲しいと続けます。
ブラックウイングの中でずっと見てきたが頂点は辛い、行かなくてよかったと思った、それはコールも同じ…。
お前が解放してやれ、そうすれば俺達もこの銃から解放されるとビート。
ビート
「兄弟として……決着を……つけてやれ…」
…そのビートの言葉にホープの顔つきも変わります。ここまで二部のホープにはなかったと感じられるような、恰好良い表情。
ホープ
「ありがとうビート、兄貴。吹っ切れたよ……」
「もう…迷わない」
…決着の時、一瞬の撃ち合いの瞬間を待ち見守るカイル、コニー、ミクシーさん。
そして観客席に戻ったニコラ、ここまで出てきたエイドリアンもこの勝負の行方を見に来ています。
…そして。故フィリップ・クリムゾンの魂も。いえ、フィリップだけではなく。この最後の決闘に到るまでに散っていった様々な者達の魂が見届けていました…。
銃抜くホープ!そしてコールも…!互いに向けられ重なる銃口!放たれる銃弾!
そして光。
…コールとホープの対決から20年以上の月日が流れ…。コールによって抑止されていた原子爆弾は人の世に出てしまっていました。
一度落とされた時のその破壊力と被爆被害に人類全てが恐怖したものの…。
裏腹に各国は自己防衛と称し核の研究を進め、水素爆弾の開発まで至ってしまっていました。
そして。それがアトランティック合衆国とタルカス連邦共和国により使用されようとしていると伝えるTV放送。
両大国の動向によっては全面戦争に発展しかねず…。それによっては最初の一発での恐怖で、使用は禁止されていたであろう核兵器が再び使われてしまうかもしれないと全世界が緊張状態になっているようです。
その放送を見る者達。その一人はアトラやジェシカそっくりの容姿となったニコラ!
彼女は一国の首相となり、この危機の打開策を話し合う為、
お前かい!…なアクラブ・カシム大統領の元へ向かうようです。
ニコラは親しげにエディとよぶエイドリアンにカシムが本当に核兵器を使うかを問いますが、お前の手腕しだいと返答します。
エイドリアンが潜入して調べてみたところによれば、カシムファミリーはコニーの言うように後先考えない馬鹿ばかりで使いかねないらしいです…。
えっこれが!?…と思う程容姿変わりすぎなコニーはクリムゾン解体後いの一番に核爆弾の製造に着手したのも奴等だった、タルカスを統一しても協調する奴等とは思ってなかったとコニー。
あいつらは殺しておくべきだった。こんなに肥えたりしてなければと続けます。そんな母にドン引きする息子のカートとジョリー。
コニー、母になってた!その相手はカイル!
ハゲてます。
一大事業の真っ最中に戦争は困ると二コラに言うカイル。
タルカス砂漠のど真ん中に巨大なカジノ都市を作り、アトロポス遺跡やエルプトン城をも観光施設にして娯楽施設に作り変えて世界一の娯楽都市を目指すといいます。
ビジネスチャンスをフイにされてたまるかとカイル。失敗したら我がパーマー家は9人の子供共々路頭に迷うとコニー。カートとジョリーだけでなく9人も子供いるんかい!
やっぱり子だくさんになった、立派なお母さんになったという二コラにそれもこれも誰かさんのお陰だと返すコニー。
そしてお前は政治の道を選んだ、ならば責任を果たせと続けます。
いう事を聞かなければ殺せ、何としても戦争を止めろというコニーに、今はそんな時代じゃないと笑う二コラ。
でも本当に何とかしないと、お金に困ったらバンクス財団が出資するからというのはミクシーさん。ふつうに善良なお婆ちゃんという感じになってますね。
ミクシーさんに礼を言った後、二コラは一人ある場所に向かいます。それはかつて父が母に平和が訪れたらまた父母娘3人で夕日を見ようと言っていた場所。
結局、コールが作っていた戦争にまみれた世界は変わりましたが、フィリップ・クリムゾンの予想通り核の抑止力の中で生きる世界となり、誰かが核を使えば世界は終わるかもしれない…。
そして今その危機、一色即発の状況な訳ですが…。
二コラ
「必ず止めてみせる!!この時代のピースメーカーとして」
…沈みゆく夕日に誓う二コラ。そしてまた別の場所へ向かいます。
二コラ
「私は一人じゃない。ずっと支え続けてくれた人たちの為…」
「生を与え育ててくれた人の為。そして…」
…着いた部屋の壁に飾られた二丁の銃。その前にたち、微笑みかけた二コラに笑みを返して消えたホープとコールの姿…。
「私に勇気を与えてくれた人の為…」
「私は…戦い続ける」
…ホワイトウイングとブラックウイング。二丁の銃に二コラの決意の言葉が飾られた最終ページで…。
PEACE MAKER FIN!!
なんていうか感無量です。正直、終わった…という燃え尽き症候群のような何かで、感想書くのが手につかないような感じになったぜ…。
…まあここまで続けて書いてて最後は落とすとかアレなんで、気を取りなおして書きました。
ホープ対コールの最終決闘。
ここに至って迷い出したホープにはおい!…と思いましたがらしいといえばらしいんですよね。二コラとの対峙の結果は結局変わってなかったという事ですし。
そしてビート登場と励ましの言葉はやはり嬉しかったです。…1章でコールに倒されたときは本当に悲しかったし…。ビートの死が色々と転機でした。あれで2章に移り変わる展開に走っていったし…。
そして最後のショット。この辺りはぜひ実際に漫画読んでみてねという感じです。少なくとも僕なんかの文ではホントにどんな感じか伝わらないと思うので。
とにかく撃ってフラッシュして場面が切り替わる為、二人がどんなショットをしたのか…等は想像するしかありません。完全にそういう演出で描かれていると思います。
光が凄いという描写なのでやはり両者6連射スポットバーストかなとは思うのですが。
…そして最後の描写からホープ、コール両者とも故人…。つまり結果は壮絶な相打ち!
…うぐぅ…。これは来てしまったか…という感じです。ちょっとだけ頭よぎったんですよ。互いの渾身のショットの結果相打ち…というのは…。
前回の兄弟の会話では俺達で終わりにしようといっており、エマーソンの血を持つ二人の相打ちで変わる世界にはもっていけないような血統は潰える…。
悲しい結末ですが、決闘という血塗られた闘いの最終決着として相応しい面もあります。
ニコラが可哀想ですが、代わりに彼女を支える役としてエイドリアンがいますし…。そういう意味で纏まるなと。
でもやはり感情としてホープには生きて二コラの隣に並んで欲しかったというのはあるよな…。
感想書くのに手がつかなかったのはホープの死を受け入れるのにちょっと時間がかかった所もあります。
…そしてその後の世界。その後や核の事はどうするのかなとは思いましたがこれだけ年代が飛んだのは予想外でしたぜ。
断言はないけど二コラとエイドリアンは夫婦になってるっぽいですね。
…あとアクラブ・カシムがこのラストに至って名が出るとは。アレだぜ。2巻に敵として出てた人ですぜ。確認したんで間違いないと。モードスコルピオンとかやってた。
始め、タルカス統一したのがカシムファミリー?…と思いましたがよく読むとあれですね。
多分二コラの方がタルカス連邦共和国首相でアクラブがアトランティック合衆国の大統領という事でしょうか。
核の問題は現実でも残ってる訳で、綺麗ごと無しに描こうとしたら万事解決…にはならないですよね。
そういう世界になってもその時代にあった方法で平和の為闘い続けるという意思を描いてEND。
賛否はありそうな最終話ではあったなあと思います。
決着シーンは飛んで書かれていない訳ですし、主人公の一人は死亡ですし。問題は残って終わってますしね。
以前書いてたように個人的にはシンプルに二コラがコールに勝って止めて、コールにも倒して大団円的に終わると考えてましたが、そうではなく、シビアに現実的なものを描いて考えるものを残すという終わり方でした。
ハッピーな終わりが見たかったような気持ちもありますが、核のような作中で出てきた問題をご都合主義無しにとらえればこういう悲哀含みつつのエンドになるよな…とか、撃ち合った後のホープとコールの最後の言葉は何だったのだろう、見たかった気もしますが撃たれて倒れる二人は見たくなかったような気もするし…等いろいろ考えます。とても纏まらないのでこの位にしておきますが。
…長くなりましたが、最後の感想なので簡便してくだされ。
とにかく皆川先生、お疲れさまです!ありがとうございました!
※2016/07/23追記
最終巻最終回その後の世界部分にちょっとした追加描写があるのに気づきました。
核についての秘密を記してある二コラの背中の入れ墨についてで、それを二コラが背中を見せずに守っても核抑止していたコール、クリムゾンが解体したら結局核は広まってしまったといことらしいです。
まあ二コラ、銃士引退しても弱くなるとか無いと思うので、そこから秘密がバレるとかないだろうなとは思いましたが、ここをハッキリしてくれたのは良かったと思います。
そして書き下ろしの話ありました!1巻に繋がるという前日談ですね。その感想も本当の最後の締めとしてちょっとだけですが書いたので良ければこちらを→
EXTRA ACTION感想リンク
ピスメ15巻セット。16巻。そして最終17巻!
最終巻、この感想書いてる時点でまだ未発売ですがAmazonリンクは既にあったので張りま
した。
ラストバトルは最後の連戦全てで1つだ、最終巻だけだと途中からになるので16巻も必要だろうとなって16巻張りました。
そうしたら1~15巻までのセットのリンクもあるのを見つけたので…。もういっそ最初から今回の決着まで一気読み推奨。
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