前回の話→
#109感想前回始まった7部キャラ、ルーシー・スティールの関わるエピソード。
ルーシーは泥棒から助けられた縁で知り合った文くんと呼ばれる青年を地元ガイドに雇い、かつてラヂオ・ガガ事件という謎の行方不明者が出た事件が起きた現場の調査に向かいました。
しかし、そこでガードレールに擬態した食人生物に襲われるルーシー達!
現場まで車を走らせた運転手はガードレール生物の餌食になり、ルーシーも襲われピンチ!
そこで文くんが間一髪ルーシーを助けました。
ここに未確認の植物があるだけでこんな危険があるとは思わなかったと文くんに謝るルーシー。
ガードレール生物はここにある何かの闇を守る番犬のようなものと推測。
僕の知ってる生き物はあんな硬くないし乾いてもいないと叫びますがまあ岩動物なんでしょうなあ。
そこで咳き込み血を吐いていたルーシー。文くんは彼女が重い病を抱えている身でこの調査を行っていた事に気づきます。この場を離れて街に戻ろうとしますが…。
文くんにしがみつき、見捨てないでと引き戻すものが…。それは完全には即死はしないようにグロ状態で生かされていた運転手!
殴りつけても話さない運転手に引きずられ、ルーシーを逃がす事は出来たものの自身はガードレール付近まで引き寄せられてしまいます。
その服の一部をガードレール生物に絡めとられあらわになった文くんの肩には星型のアザ!
そのアザをみたルーシーは、あなたはその位置から車のエンジンをスタートさせられる、させなさいと叫びます。
文くんはその声に下駄を車に投げつけ、その衝撃で開いたトランクから飛び出した電源コードを掴みます。
ルーシー「わたしは知っている…。その肩にある…『星の形』の…アザ…を。知っている…。」「『使命』で繋がっている事を。目では見えない…」「『心の力(スタンド)』がある事を……!!」ルーシーの考え通り文くんはスタンド能力を発現する事に成功!掴んだコードが茨の鞭に変化!
茨鞭を伸ばして車のエンジンをかけてガードレールに発車した車が激突!食われかけていた文くんも難逃れます。
それでも足掻くガードレール生物に駄目押しに殴りつけ、車と共に転げ落ちていくのを見ながらルーシーを背負ってその場を離れる文くん。
ルーシーはちゃんと名前を聞きたい、おそらくあなたを知っていると文くんに言います。
文くんのフルネームはジョセフ・ジョースター。和名では仗世文なので文くんでした!
2部主人公と同名!
まあスタンド名は出なかったですが、あの茨の鞭のスタンドはハーミットパープルですよね。
…そして和名の仗世文はジョジョリオン主人公の定助の半身と同名。その意味は…。
とにかく文くん、いやジョセフの名はおばあちゃんが付けてくれたという話。ジョセフのおばあちゃんは理那。7部の主人公、ジョニィと結婚した女性なので二人の孫になるわけです…。
…ジョニィの名が出て、7部での出来事に思う事はあるのでしょう。言葉を返さずその事実を聞いているルーシー。
ですが彼女はそこで探していた植物を植えた鉢を持って立ち去る青年、透龍の姿を目撃。
待ったをかけるルーシーですが、彼女が再び咳き込み出したのもあり、それを押し止めて街に戻ってゆくジョセフ…。
…透龍がロカカカ鉢を取りに来たということはここは愛唱の時のスタジアムと同じ、隠し場所だったのでしょう。ガードレール生物はそれを守る番犬として住み着かせていたと。
…その透龍はのちに定助の時代でようやく倒されるのですが…。
…この事件の3年後、ルーシーは再調査も希望していたようですが叶わず、患っていた肺の病で亡くなっていたようです。
そしてジョセフはルーシーを気遣ってあの後共にアメリカに渡るも、第二次世界大戦の影響で日本に帰れなくなり、そのままニューヨークで市民権を得て就職して暮らしたと。
ジョセフはSPW財団のスージーQと出会い結婚してその間に生まれたのが定助のもう一つの半身、吉良吉影の母のホリーさんだったのです。
ラヂオ・ガガ事件の現場に面し、透龍がロカカカ鉢を持ち去った果樹園を所有していた東方フルーツバーラーは4代目憲助の代で発展し、旧母屋の建て替えを行いました。
担当した建築家は長男の常敏の大学時代の友人、岩人間だった八木山夜露だったのです…。
様々な縁が繋がっていた事が明かされて、いよいよ舞台は透龍を倒した定助たちの時代に戻ります。
結局、新ロカカカは東方家の呪いの解除、つるぎに降りかかる奇病を治してなくなってしまいました。
ホリーさんの治療の為に使いたかった定助には無念も残る結果。
透龍との戦いで犠牲になってしまった豆銑と虹村さんの事が頭に浮かびます。
しかし同じように家族を思った花都がその身を犠牲にして出した結果です。否定も出来ないでしょう。
等価交換で治すロカカカはなくなってしまったのかという康穂の問いに、元の原産地である南の島にはあるかもしれない、でももうここには他のロカカカを探せる人間はいないと語ります…。
確かにロカカカをその原産地から密輸していた岩人間たちは倒しましたし…。…ドロミテは生きてるけどロカカカ組からは外れてたし知らないだろうなあ…。
病院のロカカカの成分を液化した『LOCACACA6251』も戦いの中で潰してしまいましたし…。
…その時、子供連れの女性がスマホを落としたので康穂が拾ってあげます。
その女性について何かに気づいた康穂。それに対した知っていた、何度か出逢っていると答えます。彼女は空条仗世文の母に当たる人物でした…。
作並カレラからの情報もあったよう。再登場しないのかと思ったらこの最終回で名前だけは出た!
…しかし仗世文の母は定助の半分が息子という事にはまるで気づきませんでした。
その事に定助は無理もないと素っ気なくいう定助。
仗世文は吉良と融合して定助になってしまったので行方不明扱いで仗世文の母自身も今別の小さい子供を連れているという事は再婚して新しくて違う生活もあると。
…吉良の方の母親のホリーさんは全力で助けようとして、ロカカカ等価交換で助けるのは不可能になった事に意気消沈していたのに仗世文の母にはえらく素っ気ない、この差は?…と思って単行本12巻読み返してみたらそれもわかりました。
仗世文の母はシングルマザーで子供を育てていることに疲れて海で溺れた仗世文に対しいっそこのまま死んでしまえば…と考えて助けるのをためらうというような感じでした。
…その為、仗世文は母よりも溺れた自分の救命に力を尽くしてくれたホリーさんに恩義を感じて、息子の吉良と共に彼女の為に動いて…というのが二人が定助になる過去編の話でした。
…そんな二人が一人になった定助だからこそホリーさんに対する思いは強く、仗世文の母にたいする不信感はぬぐえないのかも…。そして…。
定助「『思い出』は……一番最初の『思い出』は…」「『壁の目』の土の下で目を覚ました所が『始まり』なんだよ」「それより前の記憶はどんな事をしても何も戻らない」「出会った人も行った場所も決して何もない」「オレは空条仗世文でもなく吉良吉影でもなく…」「土の中からの『定助』なんだ」…結局、自分はもう融合前の2人とは違う『定助』という存在なんだと語ります。
…そんな定助に余計な事しちゃったかもしれないが…と前置きして。
康穂「『思い出』のもっと以前に『夢』というものが在るのかもね」「最後の最後に残るものが『思い出』で。夢だけというのなら…」「土の中で生まれる『夢』が在るのかもね」…そう語った後、仗世文の母の携帯をスタンド、ペイズリー・パークで調べると沢山の昔の仗世文の昔の写真があった事を伝えます。新しい生活をしていてもずっと捜索していたんだろうと。
仗世文の母には確かに仗世文にとって良い母親ではなかったですが、母としての愛情もまたあったということでしょうか…。
トリビア情報として更に康穂が言うには、仗世文の名前はあのガードレール生物との戦いでジョセフが投げつけたままその場に残してきた下駄を拾った仗世文の母の父が子供の頃拾い、その下駄に書かれていた和名『仗世文』が大人になっても頭から離れなかったので孫につけられたという事のようです。
やはりジョセフ=仗世文と定助の半身の仗世文には繋がりがあったのです…。
そして東方家フルーツバーラーのカフェに戻ってきた定助と康穂。そこに無事に命は取り止めて明日退院となる憲助を祝うためのケーキを選ぶため東方家の者たちが集まっていたのです。
つるぎ、大弥、鳩、密葉、そして常秀。
常秀は透龍との戦いでやられた!…と思ったら何事も無かったように生きてるんかい!
…しかし、この場にいない常敏と花都は本当に死亡確定…でしょう。
…そしてテーブルに並べられたフルーツバーラー特製ケーキの中からのケーキ選びが始まりました。
大弥はケーキを人気や憲助の好き嫌いで選ぼうとしますが、鳩は父の退院祝いだけではなく、東方家にとって『新しい始まり』を意味しなくてはと。
…東方家は常敏と花都の犠牲が出てしまいましたが長年苦しめられてきた呪いは解け、長男がかかる奇病が治りました。
そのため明日の憲助の退院祝いをもって再出発、新しい東方家の始まりの日にしようという事でもあったようで…。
しかしつるぎ、大弥、鳩、密葉、常秀…皆思いを巡らすと家族に犠牲が出た悲しみが溢れてきて選ぶのが難しい状態に。そこで…。
つるぎ「定助がいい。定助が選んで…」「どれか決めて。定助」…つるぎが定助が選ぶことを提案。
鳩「そうね。定助…。どれか選んで…」鳩も賛同します。
定助「オレが?ですか?オレがどのケーキかを決めるんですか?」…戸惑う定助に。
常秀「定助。選べよ。ひとつ」…これまで定助を気に入らず反発してばかりだった常秀まで定助が選べと言ってきました。
大弥「選んでエ定助」…定助が好きな大弥ももちろん賛成。
…憲助に引き取られて東方家にきた定助。その定助もこれからの新しい東方家の家族として暮らしていくのでしょう。
色々ありましたが、定助ももう東方家の一員として考えられているのです。
一番新しい家族になる定助が新しい始まりを意味するケーキを選ぶのがいい…そういう事になったのかもしれません。
康穂はその定助が受け入れられてる様子を見て、今は東方家のものだけにしてあげた方がいいとそっとフルーツバーラーカフェを出ます。
定助を加えケーキを並べたテーブルを囲む東方家の者たちの姿が描かれ…ジョジョリオン『終(おわり)』です!
…という訳でジョジョリオン終わりましたあ!
最終的にジョジョリオンの主題は家族になるのかなあと。呪いを解く物語と初めにいわれてその呪いとは東方家の奇病の事でしたし、定助のホリーさんを助けるという目的も家族を思っての事でした。
逆に敵の岩人間はあくまで『個』を優先する生物で家族のような枠組みを作らない生物だということが解説されてましたし。
ロカカカ収穫直前の先行描写にまるで繋がらんぞ!…とか夜露のサランラップとかアレ何だったんだ!…的な伏線特大投げっぱなしジャーマンスープレックスな所も正直多いと思いますが、身元不明の定助が最終的に家族としての居場所を得たという形の一つの終わり方は迎えられたのかなあという感じです。
8部もホリーさんは結局助けられませんでしたし6部7部と続きビターな感じも残すエンドのように思えますが荒木先生的は漫画術の本で物語が終わった時には何らかの形で+になってなければならないという事を書かれていたと思うので、先生的にはあくまで全て+を生み出すグッドエンドなのかなあと思います。
…考えたらジョジョって単純にビターじゃなくやったぜ良かったな印象で終わるのって2部くらいじゃね…と思ったり。
1部はアレですし、3部、5部は仲間は犠牲になった感大きいし、4部も隼人の家の問題とかはどうしても残ってるし。
…でもそういう色々な悲しみ等があっても何かは前に進んでいるようになってるのが荒木先生のいう+要素なのかなあと。
ホリーさんは救えなくても定助は東方家の家族には心から受け入れられたというところで。
とにかくこれで本当にジョジョリオンは終了。
荒木先生の巻末コメントでは
「少し休んで、新『JOJOLANDS(仮)』でお会いしましょう」
…との事なので、既に次の9部の構想はあるみたいですが、直ぐには始まらずに時間を空けてになるみたいですね。
月並みですが荒木先生お疲れ様でした!9部になるであろうJOJOLANDS(仮)も期待してます!…という感じでしょうか。
…10年連載してたという事は自分も感想10年書いてたんだなあと色々感慨深いとこもあります。
正直つたない感想だったと思いますが見てくれた方には感謝です。
・ジョジョリオン最終巻、9/17日発売!
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