前回の話→
#056感想リンク
前回はまさかの常秀回。今回はその続きです。
置き忘れの財布を自分の物として、更に中にあったキャッシュカードから大量の現金を引き出すことに成功した常秀。
…しかしいくら豪遊しても、何らかの理由で必ずそれ以上のお金が入ってくる異常事態に。
あくまでそれを自分の幸運と思おうとしていた常秀でしたが…。
常秀
「やっぱり変すぎるな。おかしいだろッ!なくならない!」
…自販機で何度飲み物を買っても買った金額以上のお釣りが出てきます。小銭が増えすぎて重たくなる始末。
他にも買っていた舟券が大当たり、バッグから溢れて飛んでいった万札を周囲の人が拾い集めてくれた際に増えて戻ってくる等、歯止めが聞かない状態。
遂に常秀もこれは幸運ではなく完全におかしいとの考えに。
手に入れたお金は少なくとも最初の分は銀行から引き出したもので、偽札ではないはずですが…。
…よく見ると全ての紙幣の番号の末尾が『13R』になっていることに気づきます。やはり異常。
とりあえずどこかで現金を数え直したいとシフトは終わったというタクシーの運転手にチップ込みで先払いすると5万円を渡し、家に帰ろうとするのですが…。
途中、橋が工事で通行止め、回り道は時間がかかる、女房の誕生日で早く帰りたいのコンボで料金は返す降りてくれという展開に。
料金は払うという常秀ですが受け取ろうとしない運転手。痺れを切らし、運転手のポケットに金をねじ込む常秀ですが…。
そのポケットにはライターが。金を突っ込んだ勢いで一瞬作動して火がついてしまいます。気をつけてくれと慌てて火を消す運転手。
しかし札の方は燃えて…いくと思いきやまるで細胞分裂のように札が増殖して増えていきます。もうこうなったら怪奇現象。やはり普通の金じゃない!
…ここで突然場面が東方家に。ハッとソファで目覚める常秀。
…いままでのは夢…なら良かったのですが、自分の部屋のドアを開けると洪水のように紙幣が溢れてきました…。金に溺れる(物理)です。お金怖い。
…常秀は状況の打開の為、最初に金を自分のものにした後は捨てていた財布を拾ってきて、残っていた手がかりから持ち主の『苦竹財平』の住むアパートを突き止め訪ねます。
こうなったのはお前の仕業と財平を締め上げる常秀ですが…。
逆に礼をいう財平。そしてミラグロマンの呪いについて語り出します。
2年前ライブを見にドイツに行ったとき、出来心でホームレスの空き缶から札を一枚くすねた財平。
それが『ミラグロマンの紙幣』だったのです。
財平
「そうやってハメるんだよ。それがミラグロマンのルールなんだ」
…今の常秀と同じように金が減らない状態になり、最初は気分がいいものの、異常に気づいてついには紙幣をシュレッダーにかけてしまった財平。
それで『呪い』は完璧に移ると。紙幣を破ったり燃やしたりして『破壊』する前に前の持ち主に返すしか逃れる方法はなかったと後悔を語ります。
完璧に呪いが移ると金持ちなのにもう二度と買い物も出来なくなると。
ドイツでのホームレスはわざホームレスのふりをして財平のような人間が引っかかるのを待っていた。だから同様にキャッシュカードの番号をあえてアイドルの名前という推測しやすいものにする、財布をわざと置いていって引っかかる者を2年間待っていたと。
やっぱりハメたのかと激怒する常秀。しかしミラグロマンのルールに従っただけと財平。
2年間待っていた、紙幣のことは警官だって知っているが黙っていると。都市伝説としてミラグロマンのことは広まっており、代わりに呪いを引き継いでくれる相手を探すのは難航していたよう。
政治家や裏社会の者たちは特に用心している、やつらに盗ませようとして殺されたりするなと忠告が。
ミラグロマンの起源は名前も国も時代も知らないがものすごく優秀だった武器商人の一族にあると語る財平。
その一族がある時代でとても長い期間での裁判に負けて500億ドルの支払いをしなければならなくなり、既に精神が壊れていたその時代の商人は家族を殺して自分の体に火を放って自殺。
そして『呪い』だけが残って焼死体の傍にあった一枚の焼け焦げた紙幣が『ミラグロマンの紙幣』になったという。
呪いはどこの国に逃げてもその国の紙幣に変化して絶対に帰ってくる、絶対消せず、誰かにルールに沿って呪いを移すしかないことを改めて強調する財平。
更に金はあふれるほどあっても買い物が出来なくなることで楽しいことは何もなくなる、意外に早く心が壊れる時がくると忠告。
生きる為の食べ物は絶対に買う必要があり、買えるようですがその度にお金は増えて食欲はなくなる、水道代等の維持費に気をつけないとそれで知らないうちにまた金が貯まる、衣類は買わず古着を恵んでもらうのが一番と更に経験からくる忠告をする財平。
財平
「心から…本当にあんたにありがとうと感謝したい」
…ミラグロマン地獄はよっぽど辛かったのでしょう。だからその本当に感謝と解放される喜びから
常秀に詳細を語ったのです。自分はもう受け取ったり引っかかったりはしないという確信もあったのでしょう。
しかし常秀はスタンドが使えます。それが財平の失敗でした。仕方ないですが。ミラグロマンについては身をもって知っていてもスタンドとか見えない知らないでしょうし。
常秀はナット・キング・コールの能力で財平が飲もうとしていた飲み物の包装にミラグロマンの紙幣を合体させていました。
財平はそれを飲む際に口を開けるための梱包を破ることで紙幣も破り、再び呪いを受ける立場に戻ってしまいました。
常秀
「ババ抜きのゲームというのなら…他の奴を探せ」
「二度とテメーが俺の前に現れねぇよーにここでブチのめしておく!」
…この機転と啖呵は常秀とは思えぬ格好良さ。
財平を言葉通りブチのめして溢れてきた紙幣の中に沈め、アパートの部屋を出る常秀。
それでも金を持って行ってくれとお願いする財平の叫びは当然無視。
常秀
「俺には『何が』あるっていうんだ?」
…都合よく金が増えるだけのようなおいしい話はなかったと思い知って、これまでにない感じで自省する常秀。
…まさかの精神面の成長が描かれ、常秀回終了です。
…前回がそれまでの常秀らしく駄目っぷり全開だったので、今回番外編の主人公らしく普通に話を終わらせてくれるとは思わなかったよ!
痛い目にあってギャグ的なオチがつくと思ってました。すまぬ常秀。でも前回とのメリハリにもなりましたし楽しめたと思います。
意外な新事実判明!…ではなく普通に常秀主人公都市伝説番外編として締めた感じなのも予想外。
…でも、ミラグロマンもスタンドとしてのヴィジョンは財平の語りの時に描かれてましたし、死後も活動するスタンドが『呪い』として生き続けているという要素はこの先の本編にも関わる要素になるのかなと思ったり。
最初にこれは呪いを解く物語といわれてましたので。ジョジョリオン。
もしかしてジョジョリオンのラスボス的な扱いになるのは人物ではなく、なんらかの強大な呪いを打ち破るのという感じになるとかそんな感じで。
ともかく次回からはいよいよ新キャラ、花都が東方家に帰ってきて…となると思いますので、楽しみに待ちます。
・ジョジョリオン13巻。
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