前回の話→
ACTION71感想リンク 今回は1話使ってのアトラ編。彼女の過去が明らかに。
息子のエイドリアンも手元を離れ、一人残されたアトラ。
エイドリアンはエルトンから父が殺された事を聞いていました。
彼はアトラがその事実を肯定しても責める事はなく、むしろ母をクリムゾンへの復讐の呪縛から解放するという意思で強くなる為に出て行ったのですが…。
エイドリアンの父、つまり夫グッチの
「クリムゾンへの復讐に囚われすぎるな!!」…という言葉を思い出し、
「だから…殺してしまった…」…と涙を流します。
アトラ
「私は…忘れない…あの屈辱の日々を…」
アトラは母との逃亡生活の日々を送っていました。追手を放ってくるのはアトラの父であるフィリップ・クリムゾン。
フィリップが妻を殺そうとする理由。アトラがその当時考えていたその理由は、未だにフィリップの能力を受け継いだ子を産めない母を見限ったという事。そしてもう一つ、母が父の進めていた大事な計画の邪魔をした事。それが父の逆鱗に触れたのだろうという事でした。
母と娘。共に優秀な暗殺者としての実力を持っていたようで、その力で追手を撃退していたのです。アトラは天才暗殺者である母の才能は100%受け継いでいました。
仲は良く、お互い助け合って逃亡生活を過ごしていたようですが…。ある日、母は血を吐いて倒れてしまいました。母が最後にアトラに言ったのは…。
あえてクリムゾンに戻り、そのクリムゾンを滅ぼしてほしいという事。フィリップは悪魔で、放っておくと世界は彼の手の中で踊らされると。
…その遺言に従い、アトラは逃亡を止め、クリムゾンに戻って父に再会しました。
母ケイトには持病があり、死ぬ前に確保するために捜索隊を出していたが、ことごとくお前たちに殺されたとフィリップ。…捜索隊というより完全に刺客だったと思われますが…こう言ってのけたようです。
そして流石ケイトの娘、殺し屋の血はしっかり受け継いだようだとアトラを褒めます。そして…。
フィリップ
「だが…その目では駄目だ。憎しみに満ちている!!」
「ケイトに色々吹き込まれているようだがそんな感情を露にしているようでは暗殺者失格」
「私の事を憎み殺すつもりでも構わん。それならばもっともっと賢くなれ!!」
「お前の双子の姉、ジェシカのようにな」…その姉に会うアトラ。アトラに涙を見せながら母もあなたもなんでみんな父の手の上で踊らされているって気付かないのとジェシカは言います。
…父を裏切り逃亡した母の行動まで全て予想通り…?姉の言う事がそのときは分からなかったアトラですが、考えてみればたしかに父の未来を読む能力は神がかっていると気付きました。
世の中の流れを的確に掴み武器商人として世界に君臨。目をつけた企業に融資しそれが見事に成功。
クリムゾンカンパニーはますます強大になり逆らう者や謀反を起こそうとする者は事を起こす前に潰される…。
アトラ自身もいつのまにか父に踊らされていました。結局憎んでいる父に抗う事が出来ず、その配下の暗殺者として活動してたのです。
…隙を見つけて暗殺する…つもりだったのが、全く隙が無くそのままだったのでしょう。
これでは母に合わせる顔がない、そもそも母はなぜ父の仕事の邪魔をして逃亡する事になったのかと考えるアトラでしたが、ある日その真相に偶然辿りついたのです。
…アトラはクリムゾンの裏を担当する者たちの会話を聞いてしまいました。
彼らはピース・エマーソンが兄のウィルを殺してしまったときに、今回もボスに色々な仕掛けを頼まれたと話していたのですが、問題はその後で、「ケイト・クリムゾンの時と同じように」…という話が出たのです。
その者たちから洗いざらい真相を聞きだしたアトラ。…やはり自分と母の逃亡劇も父に操られたものだったという事を知ったのです。
…母は逃亡する前に持続性の高い毒を盛られており、それによって道中で体力を奪われ続け倒れたのです。…持病とかよく言えたもんだ…。
そしてその弱っていく母をカバーするためにアトラは奮闘し、暗殺者としての血を高めました。そしてその能力は結局クリムゾンの為に使われる事になっていたと。
アトラ
「屈辱だった。母の無念を思い、この十数年父の操り人形同然となった愚かな自分を恥じた」
「私は………その日からクリムゾンの敵となった。たった一人の…理解者を捨ててまで…」…その理解者がクリムゾンで出会った夫のグッチ。彼は呼び出して話をすると、アトラの気持ちも分かるがそれに縛られる事はないだろうと、前述した復讐に囚われすぎるなという言葉と共に説得してきました。そしてすでにアトラのお腹に宿っていた子供まで危険にさらす気か、と。
…しかし、それでも生き方は変えられないとアトラ。父は今、母が止めようとしていた大量破壊兵器(核爆弾)の製造を行っており、母の意志を継いでそれを阻止すると。
アトラの母ケイトがかつて邪魔をしたという計画とは、核爆弾を製造するアースバウンド計画の事だったのでしょう。
それを聞いたグッチは、それなら仕方ない、自分もあの計画には疑問があるからと、自身もクリムゾンを離れる意志を話します。…この流れならアトラがグッチを殺すとかないと思われますが…。
…その瞬間。グッチの胸を銃弾が打ち抜きました。…一箇所に何発も弾が当たっている感じなのでスポットバーストショットでしょう。
グッチを殺したのはアトラではありませんでした。実行犯はフィリップの命を受けたコールだと思われます。
幸せに暮らしたかった、アトラ逃げろと言って崩れ落ちるグッチ。
アトラ
「一瞬で理解した…。私の考え…私たちの謀反も…全て父の計算通り…」…私がグッチを殺して逃走した事になるだろうとアトラ。
しかし自分がグッチを不用意に呼び出さず黙って一人で逃げていればよかったと考え、私が殺したようなものだと感じました。…だからエイドリアンに聞かれた際、父殺しについて肯定したのです。
そしてそんな自分も愚かだが、姉ジェシカも愚か者だと感じました。
その当時ジェシカも子供(ニコラ)を授かっており…。そこは同じでも母との約束を成就するため、息子を暗殺の世界に投じていた自分に対し、ジェシカはニコラを普通に育てていた事。それが許せないと感じたのです。母を忘れて自分勝手に生きていると。
幸せにさせたくない。だから双子の姉妹という特性を利用してジェシカとニコラを陥れていたのです。
ラザフォードにニコラを差し出したのはアトラでした。その母であるジェシカを装っておびき出して。それによりニコラは背中に、アースバウンド計画に関する情報を二度と消えぬ刺青を刻まれました。
既出でしたが、同じやり方でニコラの父であるハリ・マーコスを殺したのもアトラです。オディオ・エルプトンの計略でジェシカはその罪を着せられました。
そんな事をしていたからロクな目に遭わないとアトラ。その後、ニコラもそうでしたが、証拠隠滅のためアトラたちもエルプトン一派から追われる身になっていたようです。
…しかしその一方でアトラは、そのお陰でエイドリアンも立派な暗殺者に育ったとも考えます。
ホープと一緒に育てたのも息子の成長を促すためでしたが、エイドリアンがアトラの制止を振り切っても今回のG・O・D出場に拘るのはホープへの対抗心もあるためなので、これは刺激が強すぎたかと考えました。
その為、アトラもエイドリアンがコールと戦う前に止めるため、G・O・D出場を決意したようです。
アトラは既に金稼ぎの為の決闘により、出場に必要な7枚の決闘チャンピオン証明書を得ていました。
そしてアトラは現状について考えます。
…目の上の瘤であったエルプトンは死に、フィリップもコールに殺されました。
しかし、考えてみればコールは母ケイトが危惧していたアースバウンド計画には反対で、フィリップを殺したのもそのためでした。
コールによって世界中に武器がばら撒かれていてもアースバウンド計画だけは彼の手によって抑えられている状況なのです。
現クリムゾン総帥のコールを殺せば、クリムゾンを滅ぼすという母の想いが成就する代わりに世界中で大量破壊兵器(核爆弾)が製造され始めてしまう…。
…クリムゾンがその大きな力を独占する事はなくなるが、それでいいのだろうかと自問するアトラです。
自分がコールに殺される事も想定済みで、後継者にはコールを指名していたフィリップ・クリムゾン。
アトラ
「死してなお予想していたって事!?これまでのこの展開も!?」結局全ては父の手のひらの上だったかもしれないが、そうだとしてももう抗う術もないと考えるアトラ。
アトラ
「父の描いたシナリオがどういった結末を迎えるかは知らないけど…もう…後戻りは出来ない…」…このアトラのセリフで次回に続きます。
…アトラは思っていたより人間味のあるキャラでした。初登場時は復讐鬼のようなイメージでしたが。
まあ息子のエイドリアンも無感情の暗殺者キャラかと思ったらそんなことは無かったですしね。
ただ、G・O・D出場は死にそう…。それこそエイドリアンを助ける為に死にそう…。
そして死んでるのに影響力を残してるフィリップ・クリムゾン。
…この漫画の現状のラスボスはコールですが、G・O・Dで彼を倒した後にまだ、世界中に広がりそうになる核の脅威を止める為に戦うという展開とかあるのでしょうか?
そんな事考えました。とにかく次回も楽しみです。
・ピスメ単行本10巻。
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