ACTION 41 悪魔のショット
ビートとティム・ロイによるG・O・D決勝戦が始まった。
空き缶を使った早撃ち勝負でホープを凌ぐという
実力を見せたティムはその処刑人の如き圧力を放つ。
ロミオを倒したときより凄まじい気で、観客もこれまでの
ティムとは別人と思える程だったが、ビートは動じない。
やはりビートはこれまでの相手とは格が違うと感じるティム。
ショーマンだったというティムだが、父を殺され、一座が
壊滅した時から決闘者として多くの人を殺して来た。
そして、魅入られていた。
仇であるはずのコール・エマーソンのショットに。
「人を殺し…殺し続け…そのうち……ある事に気がついた。
自分の銃に悪魔が宿り始めた事に…。」
ホープの父、ピースや父の様々なショットも簡単に
自分のものに出来たというティムにもコールのショットは
難しかったが…ようやく分かったというそれをビートに放つ…。
「見るがいい…これが…。悪魔のショットだ!!」
ACTION 42 ロストプライド
…ティムの隠されたもう1つの顔。
ティムの放つ禍禍しい気配からそれに気付くビート。
「このニオイは真の人殺しのもの…。他の銃士や
あの魔術師ピーター・エンフィールドとも違う…。
己の技の追求に取り憑かれ、屍を築き上げる事に
抵抗がなくなった化物のニオイだ。」
…そして自分はバーンズ師匠に会えて良かったと
改めて感じる。
師に出会い、弟子入りを願った時。
本来は弟子など取らないが、ビートの銃士としての
才能は感じたバーンズは、側でまず自分の
生き様を見ろと言った。
「それでもなお私の弟子になりたいか…。
銃士になる事を望むか…。」
…決闘に勝った後、祝杯の裏でバーンズは
倒した相手の棺に無言で花を添えていた。
そしてビート自身、始めての決闘に勝ち、
人を殺めたとき、その重さに沈み込んだ…。
もう銃士…人殺しになるのはやめておけという
バーンズにビートは、銃が一瞬で人の人生を
奪うという事実を思い知ったが、それでも
もう倒した相手のプライドを背負って
進んで行くしかないという決意を師に告げる。
そんなビートをバーンズは自分のスタイルの継承者と認め、
G・O・D参加の為の7枚の証明書を集めるノルマを課したのだった。
「それは…険しい道だ。ひたすらに人殺しに懺悔し死への恐怖が
つきまとう日々を送り続ける…。だが生きるも死ぬも関係ない。
銃を生業とする限り業を背負って前に進むしかない。
ひたすら強い奴を目指して。頂点を目指して…。」
…コールの分身というべき存在ならなおさら負けられない。
光を放つティムのショットに対するビートの意思。
「師匠…みんな…あんた達が行けなかった頂点へ…。
まとめて俺が連れていってやる!!」
…決着は…ビートの勝利…!
…ガンショーをやっていた時の方がらしかったという
ビートの言葉に、ティムもまた銃神、コールを倒す事を
託して逝った…。
ACTION 43 月下の約束
ビートを祝う宴が開かれる中、そのビート自身は
一人、物思いにふけっていた。
そこにホープがやって来る。
父を撃ち、再起不能にしたのは兄コールであるという
ティムから聞いた話。
まだ兄に父の銃、ホワイトウイングを渡すつもりかと聞くビートに
ホープはもう渡すつもりはない事を話す。
しかしなぜ…という詳しい事情は謎のまま。
明日、コールはG・O・Dに君臨する者としてビートとの頂上決戦に
出てくるはずだが、まだこの開催地に来ておらず、ビートが勝てば、
その事情を聞くこともまず叶わない。
でも、それでいいと思うと言うホープ。
だから明日心おきなく戦えというホープにビートは
遠慮なんて出来る相手か、言われるまでもないと返し、
更にここまで来れたのはお前に追いつき勝つ事を
目指して来たからだと語る。
今やお前の方が圧倒的に上だというホープに
ビートはお前が本気になれば、ティムはおろか
コールも凌駕出来るはずだと言う。
そして頂点に立てたら、次のG・O・Dの舞台で
戦ってくれというビート。
「お前の銃、悪魔なら殺していいんだろ?
義理を果たせば俺もコール・エマーソンと同じだ。
只の人殺しに成り下がる。手を血で染めるだけだ…。
だからお前と戦って殺しの道にピリオドをうちてぇ。
こんな事…お前じゃなきゃ頼めねえよ。」
…それに対しホープは…。
「じゃあ約束しろ!!明日…必ず勝つって!!
お前が約束を守れば俺も守る…それでいいだろ?」
それを聞き、ビートは決戦への思いを新たにする。
そしていよいよ、その決戦当日。
ついに来た頂点に挑む日。
しかし決戦を前にして震えが止まらなくなるビート。
何とかそれを静めようとしていると、そこにミクシー嬢が。
ミクシー嬢はバンクス家の護符をビートに渡す。
あなたに是非持っていて欲しいと。
おかげで震えが止まったというビートは頂点に立てたら、
2人で旅行でも行きてぇもんだと言い、ミクシー嬢は
それに対し、約束しましたと答える。
「ホープとも約束しちまったし、必ず勝ってくる!!」
そしてビートとコールのG・O・D最終決闘が始まる…。
ACTION 44 真の決闘士
…ティムが見せたコールのショットというのは、
6連射のスポットバーストショットだった。
観戦するホープもその事をカイルに話し、
6連射となると…人間の力じゃ有り得ない、
それに、そのショットのさいの凄い光…。
もうここまで来ると常識は通じない領域…。
「でも…ビートならやってくれるはず。
たとえどんな化物が出て来ようと…。
あいつは勝って来たんだから…。」
銃神に対するビート。おかげでコンディションは最高と
ミクシー嬢に感謝する。
「見せてやる…。バーンズスタイルの完成形を!!」
そのビートを見て、不敵に微笑むコール。
今まで相対した連中の中で一番面白いと。
「殺すには惜しい………。お前を生かしてやろうか?」
その言葉に負けるつもりは無いと断るビート。
これまでの全てを込めた銃弾を放つ!
「俺の……勝ちだ!!」
…しかしその瞬間、違和感が…。
銃弾を放ったはずが、銃は抜けていなかった。
そして光。
…ビートが崩れ落ちる…。
…コールが放ったショットはゲットオフファイブショットだった。
…5発もの銃弾を食らったビートだがまだ生きている…。
お前を生かしてやろうか…という言葉通り急所は外されたのか…。
…しかし、ビートは血を吐き、瀕死ながら銃口をコールに向ける…。
「行くぜ…。ホープ…みんな…。頂点は目の前だ…。」
…コールはそれ見て…。
「……いい解答だ。それでこそ真の銃士…。」
…そう言ってビートに止めを刺した…。
G・O・D決着…。銃神が倒される事は無かった…。
ACTION 45 Truth
…ビートの死に悲しみに暮れるミクシー嬢…。
そしてカイル、ニコラ…。
だが、ニコラは気付く…。ホープの姿が無い…。
ホープは兄コールの元に向かっていた…。
同じ場所に上がって来ない限り話す事は無いという
コールに、自分は銃士じゃないから決闘には出ない、
だが野試合として銃を突きつければ対等だと言い、
本当に父を撃ったのかを問う。
コールはそんな下らん事が聞きたかったのかと
言い放ち、それを肯定。
そして冥土の土産に本当の事を話してやると告げ、
撃ち合う場所として断崖絶壁の崖に移動する。
互いに崖の淵に立ち、向き合うホープとコール。
負けて落ちれば死体の残らないという決闘場。
改めて何があったのかを聞くホープにコールは
死ぬ間際になっても隠し通すとはロクでもない奴と
尊敬していた父…の筈のピース・エマーソンを侮辱する。
そして真実を語る…。
「なら…教えてやる。あいつは俺達の親父でもなんでもない。
むしろあの男は殺したんだ。俺達の本当の両親をな……。」
エマーソン一座の興行を邪魔していたクリムゾン一家の元に
乗り込んで捕らえられたコールは、フィリップ・クリムゾンから
ピースがその兄でありコールとホープの本当の父親、
ウィル・エマーソンを葬った経緯を聞いた。
差し出された一丁の銃。ピースが無慈悲な天使と
呼ばれていた時に使っていた今コールが手にしている銃。
フィリップの言う事など信じたくなかったコールだったが、
それに触れた途端、全てが理解出来たと語る…。
「銃の中から俺に語りかけてきたんだ。本当の両親が!!
そして…この銃に奪われた連中も……俺に懇願してきたよ。
無慈悲な天使ピース・エマーソンを殺し…頂点に昇れと!!」
…全てはその銃…。
そして頂点に何があったと問うホープにコールは
目の前まで来ているがまだ頂点に達していない、
G・O・Dなど只の余興と語る。
ホープはビートの事を思いだし、言う。
「兄貴には馬鹿らしい事かもしれないが…。あいつ(ビート)にとって
G・O・Dが全てだった…。俺も…今までの生活が全てだ。」
そして、コールのいう話が事実だとしてもピースが本当の親父として
自分の中に生きているとの思いを告げる。
…そして…兄弟の対決が始まろうとしていた…。
「見るがいい。これが親父(ピース・エマーソン)の魂だ!!」
…一方、ホープの行動に気付き、行方を追うカイルとニコラ。
近くまで来たとき、ニコラは車から飛び出し走り出す。
兄弟で戦っては17年前のエマーソン兄弟の
二の舞になると叫びながら…。
ACTION 46 Hope a Peace
ニコラが母から聞いた17年前のエマーソン兄弟の悲劇…。
フィリップの元を離れたウィルの妻が機密書類を盗んだとして
無慈悲な天使と呼ばれたピースはそれを取り戻さんと
兄夫妻の隠れていた街に向かった。
書類を盗んだのはでっちあげ、お前はフィリップに
踊らされているだけだと弟を説得するウィルだったが、
その妻、アンジェリーナは夫の為に独断でピースを
撃とうした。
それに気付いたピースは…アンジェリーナを逆に撃ち殺し、
そのままウィルも葬った…。
ウィルは最後の瞬間まで銃に手をかけなかった。
自分は撃つのを止めなかった。
兄の言うように今回の件はフィリップの仕掛けた事だった。
そしてウィルとアンジェリーナの子供、コールとホープが
見つかり、泣きながら懺悔するピース…。
償いの為に自分が2人の子供を育てる事を決め、誓う。
「俺はもう人を殺さない。たとえそれが棘の道になろうと…。
絶対に守り続ける!!」
…そして、その銃を海に捨てた…が、それはフィリップによって
拾い上げられ、コールに受け継がれてしまう…。
コールと相対した時、自分に向けられた怨念の銃弾を
甘んじて受けたが、ニコラの母ジェシカによって
その生命は取りとめたピースはホープを育て上げる事を決める。
自分の持つあらゆる銃の知識を叩き込んで…。
「だが…人殺しは絶対しない。どんな負の連鎖に
巻き込まれようと……。それに打ち勝てる屈強の男に!!
俺は…信じている…。いつかあいつ(ホープ)が
平和(ピース)を作ってくれる事を!!」
…その思いを受け継ぎ力としてコールに挑むホープだったが…。
「……この圧力……。これがお前とピース・エマーソンの
魂なのか…。下らん!お前らが今まで背負って来た人生は
この程度か!!」
こんなものならビートが背負っていたものの方が
よっぽど重いと怒るコール…。
「こんな軽い魂…。忌忌しい過去と共に…。全て消し飛べ!!」
…ホープはコールのショットの放つ光と共に撃たれ、
断崖絶壁に落ちる…。
ACTION 47 継がれる意志
ホープが落ちるのと、ニコラがその場に駆けつけたのが
ほぼ同時だった。
ニコラが叫ぶ声を聞き、なんでこんな所に来たと驚くホープ。
「俺は…もう…お前を助けてやれないのに…。」
…そう思いつつ、為すすべなく落ちていった…。
…崖の上にはホープの銃だけが残っていた。
海に叩き落とそうとするコールに対し、銃を
抱き抱え護ろうとするニコラ。
「この銃はホープの銃……。私と一緒に旅をしてきて
何度も私の事を救ってくれた銃…。だから…
せめてこの銃だけでも私が守らなきゃ…。」
ならば銃と共に処分するというコール。
そこに銃をしまえと、コールが連れていたラザフォードを
人質にコニー・レヴィンが現れる。
ある事を調べているうちにコールとラザフォードの
動向に行きついたというコニー。
コールはラザフォードの指示の元、アースバウンド計画の
生き残りを片っ端から消しているという。
何をしようとしていると問うコニーにコールは、そんな事は
直に分かる事で教える必要ないと言い、ラザフォードを
連れて去る・・・。
実の弟に手をかけて本当に良かったのか、という問いには、
もう後戻りなど出来ない言い残して…。
遅れて、コニーと共に現れたカイルと共にホープの死を
悲しみ、立ちあがれないニコラ。
そんなニコラの頬を叩き、叱責するコニー。
「ふざけるなよ!!いつまでそうやって甘えてるつもりだ?
逃げ回って…誰かに守られて……。この先ずっと戦わずに
生きていくつもりか?そんな生き方…私は許さない…・。
私が…お前を鍛え上げてやる!!」
…そしてコールはクリムゾン一家に戻った。
まず、ゴードンに会うコール。
アースバウンド計画に対する事で悩み、
酒に溺れていたゴードンはコールに
何を企んでいると問う。
コールはスカイタルカスでの一件は
タル教の教えが気に入らないから
ラザフォードとタルカス教徒を嗾けただけだと言い、
そしてアースバウンド計画の否定をする。
その為に生き残っていた計画の関係者を抹殺してきたと。
「俺は…今の混沌とした世界が好きだ。俺が生きている
世界で力のバランスを崩すものなど必要ない。
ゴードンお前もそう思うだろ?」
…そしてラザフォードを連れ、フィリップの前に現れるコール。
ラザフォードはアースバウンド計画の復活に協力したいと
述べ、裏切りを責めつつもそれにフィリップが同意した…
その瞬間、ラザフォードの頭をコールが撃ち抜く。
コールがラザフォードを連れてきた理由はフィリップの
真意を聞き出す為…。
自分は下らん計画には反対だと言い、フィリップに
銃を突き付ける。
計画を潰す為にあらゆる奴を殺してきた、それには
フィリップも例外ではないと。
フィリップはそのコールの行動にも動じず、
ならばお前の望む世界を創れと言う。
「よくぞここまで混沌を溜め込んだ。
まさに我が意思を継ぐにふさわしい!!
新たな世界の構築のため…立つがいい頂点に!!」
…そう言ってそのままフィリップはコールの銃弾に倒れて逝った…。
…これで7巻、第1章 完。
まず、訪れてしまったビートの死…。
世界観的にその可能性は常にあったと思います。
5巻のラストでコールに挑む話の線が出来た時点で
それは濃厚になり、結実してしまいました。
話としてはそれが書かれるべき、死ぬだろうと思っていても、
そうなって欲しくないような感覚に囚われたりしました。
…それだけ僕的にビートがキャラとして好きになって
いたという事ですね。
そして明かされた真実とビートに続いて敗れるホープ…。
ホープが続けてコールに挑んで倒されたのは予想外でした。
主人公ですし、唯一コールに勝てる可能性のあるキャラで、
すぐではなく紆余曲折あった後、コールに挑み勝つという形かと
思っていたので。
…基本的に決闘で負けたら死亡ですし。
まあ、断崖絶壁に落ちて死体確認が出来なかったという事は
実は生きているという事だと思いますけどね。
そしてコール。
ビートを倒し、ホープを倒し、フィリップも倒して、
ラスボスとして完成した感じです。
…コールが倒された時がこの漫画が終わる時…という感じで。
好きな漫画が終わるのは寂しいですがこの漫画は
終わるべきところまで描き切って終わって欲しいとは思います。
この辺は複雑。
これで目的だった第1章の話をまとめて…というか、
あまりまとめられずにダラダラあらすじ書く形ですが
とにかく、書き終えました。
結局、もう次のウルトラジャンプ発売な日までかかってしまいましたが、
今度はジョジョリオンに続いてPEACE MAKERの感想も書いてく予定。
その前に2話展開してる新展開の現状も書く予定。
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